名古屋大学医学部保健学科 理学療法学専攻 河上&宮津研究室

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教育研究改革・改善プロジェクト

解剖標本と生体画像情報とを組み合わせた、基礎/臨床科目縦断型教育へのチャレンジ

プロジェクト名

「液浸解剖標本とオリジナルメディアを用いた解剖教育の新たなる展開と基幹大学としての地域貢献活動への応用」

資金

平成25年度 名古屋大学 教育研究改革・改善プロジェクト 教育奨励費

内容

「解剖学」は,理学療法学の礎を築く学問であり,すべての理学療法士養成施設で約180時間以上の時間をかけて教育されている.この解剖学教育の中で,人体解剖実習による教育は,筋肉や関節などの位置や形を体表解剖学的視点から立体的に把握し,その病態を評価・治療する理学療法士にとって不可欠な教育である.しかし,法的整備の遅れや,指導者・設備の不足から,全国的に立ち遅れている.中部地方でも,満足な教育を受けることのできる教育施設はほとんど無い.また,臨床評価や治療に重要な体表解剖学的情報も,十分な解剖学的な情報に裏付けられているものではない.

そこで,本プロジェクトは,これまで蓄積してきた人体液浸標本の 更なる充実を図り,解剖学教育のみではなく体表解剖学や臨床評価学教育にも用いて科目を縦断した理学療法学の教育方法を検討し,わかりやすく効果的なカリキュラムを試行する.また,稼働を始めた学内外の学生や臨床家に対する卒前・卒後教育をさらに充実させ,開かれた大学としての地域貢献型教育システムを完成させる.

受託研修制度を用いた近隣理学療法士・作業療法士養成施設の学生や、臨床家に対する卒前・卒後教育

(平成19~25年度)

 

合計

学生

社会人(理学療法士等)

人数

団体数

人数

団体数

人数

団体数

平成19年度

537

17

440

11

97

6

平成20年度

460

15

309

9

151

6

平成21年度

390

12

147

5

243

7

平成22年度

488

13

203

3

285

10

平成23年度

661

12

321

4

340

8

平成24年度

525

12

276

4

249

8

平成25年度

546

13

391

7

155

6

合計

3607

94

2087

43

1520

51

実習の様子

ペン用いた骨の触察・投影実習 ペン用いた骨の触察・投影実習

解剖実習室にベッドを持ち込み、モデルの皮膚上から骨の位置を同定する技術を習得します。体表上にペンで投影した後、投影位置の妥当性を指導者により検証します。


前腕部の筋肉の触察実習 前腕部の筋肉の触察実習

理学療法学専攻、作業療法学専攻だけでなく、看護学専攻や放射線技術科学専攻、検査技術科学専攻の大学院生さんも一緒に実習します。前腕部の標本観察により、実態の三次元的な位置を十分に確認した後、皮膚上から筋肉、骨の位置を同定する技術を習得します。


手部の小さな筋肉の同定にチャレンジ 手部の小さな筋肉の同定にチャレンジ

手部の小さな筋でも、まず標本を観察した後、収縮運動やエコーを用いて確認することにより、同定可能となります。


筋の液浸標本、骨格標本および、エコーが最大の指導者 筋の液浸標本、骨格標本および、エコーが最大の指導者

臨床で患者さんの病態を正確に評価するためには不可欠な実習です。まずは十分な筋の液浸標本の観察が必要です。次に、骨格標本により、骨の形やランドマークの位置や形状を確認する必要があります。その後、体表上にペンで投影し、投影位置の妥当性をエコーや指導者により検証します。

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