名古屋大学医学部保健学科 理学療法学専攻 河上&宮津研究室

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研究室紹介

 筋力トレーニングは、筋力の増強、筋力の維持、筋力低下の抑制を目的とした理学療法によく用いられます。この時、収縮力が発生している筋自体には、応力として張力が加わっています。一般に、筋力トレーニングは負荷が大きいほど、すなわち収縮力が大きいほど、その効果は大きいといわれています。当然収縮力が大きいほど応力としての張力も大きくなります。よって、筋力トレーニング効果には筋に加わる伸張刺激(機械刺激)が大きく関与していることが考えられます。一方、近年の細胞生物学、生物物理学、分子生物学などの発展に伴い、あらゆる刺激に対する細胞応答のメカニズムが解明されてきています。そして、唯一解明が遅れていた機械刺激のメカニズムにもメスを入れることができる状況になってきました。しかし、筋における機械刺激の受容部位や、受容された機械刺激がどのような過程を経て筋の構造や機能に影響を及ぼすのかについてのメカニズムは十分に明らかにされているわけではありません。これらのメカニズムの解明は、現在の治療法の効果を科学的に証明するだけではなく、より効果的・効率的な理学療法の開発にもつながる重要な課題だと考えます。 そこで当研究室では、隣接領域である組織化学・細胞生物学・分子生物学的視点と、臨床(理学療法学)的視点の双方向からの科学的情報を融合させ、理学療法で用いられることの多い機械刺激の筋に対する影響のメカニズムを明らかにしていくとともに、効果的な筋力増強、筋力低下抑制方法の開発に取り組んでいます。

 このような取り組みに興味をお持ちの方は、ぜひ当研究室の門戸をたたいていただきたいと考えています。

2009.9.28
河上敬介

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